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新鮮卵では卵白の約60%が濃厚卵白であるが、鮮度が低下すると水溶化して減少する。ハウユニットは濃厚卵白の高さと卵の重量を用いて算出される?
卵の中身は大きく分けて卵白、卵黄に分けられ、更に卵白は弾力のある濃厚卵白、さらっとした水溶性卵白に分けられます。
生みたての卵のうち卵白の大半は濃厚卵白が占めており、新鮮な卵は非常に厚みのある箸で抓めるほどの弾力感のある卵白を有しています。
ところが濃厚卵白は日がたつにつれ水溶性卵白へと変化してしまうため、鮮度が落ちるにつれ卵はさらっとした形状を有するようになるのです。
卵白は水分約88%、タンパク質約10.5%といわれており、この中での濃厚卵白と水溶性卵白の差はタンパク質の構造の差にあると言われています。
よって時間の経過とともに卵白のpHは8をやや下回る状態から9以上に上昇するといったpHの変化に伴って、タンパク質の構造に影響を与え濃厚卵白の水溶化が進行するため、濃厚卵白の現象が生じるのです。
このように濃厚卵白によって卵の鮮度を知ることが出来るわけですが、この原理を利用し、卵の鮮度をはかる基準とされているのがハウユニット(HU)というものです。
1937年にアメリカのハウによって考案された単位で濃厚卵白の高さ、卵重によって求められ、アメリカ合衆国農務省の規格では、HU値が72以上がAA級(最高級品位)、60~72未満がA級(高級品位)、31~60未満がB級(中級品位)、31 未満がC級(低級品位)と格付けされており、我が国でもハウユニットを測定した場合、アメリカの基準に合わせて利用しています。
(答え) 〇
【参考文献】
たまごの知識 一般社団法人日本養鶏協会
https://www.jpa.or.jp/chishiki/qa/m_4/a1_4.html
鶏卵の知識とおいしさ 東京家政大学栄養学科 峯木 眞知子
https://www.jshe.jp/doc_top/column_20170805.pdf
HU値について~たまごの品質~ 株式会社タカノ
http://egg-takano.co.jp/tamago/kouza/a05.html
卵を80℃以上に保っておくと、卵黄は凝固し、卵白の部分は半流動性の卵となる?
卵には熱凝固性といった性質があり、卵に加えられる温度によって形状が異なり、卵白、卵黄によってもその形状は異なります。
以下卵白、卵黄に分けて温度ごとの形状を記します。
卵白…63℃:白濁し、やや流動性がなくなり、やわらかく凝固する。ゼリー状になる。
80℃:しっかりと形を保ち凝固する。
卵黄…63℃:流動性を失う。
70℃:粘りがある半熟。
75℃:硬い半熟。
つまり問題文に記されているように、卵黄が凝固、卵白が半流動性を示すのは約63℃、おおきく範囲を有すると60~70℃であると言えます。
(答え) 60~70℃
卵を60~70℃以上に保っておくと、卵黄は凝固し、卵白の部分は半流動性の卵となる。
【参考文献】
第9回:卵について学びます(卵博士になる!) 愛知県共済
https://www.aichi-kyosai.or.jp/service/culture/internet/cook/cooking/cooking_20/9_25.html
鉄含量は、卵黄より卵白のほうが高い?
根本的に卵黄と卵白で栄養価が高い方は…といわれますと、卵黄のほうが栄養価が高いとされています。その原因は卵黄には体内で確実に必要とされている必須タンパク質が全種類含まれているからです。また脂質や、ビタミン、鉄などのミネラル類も卵黄には多く含まれています。
しかし卵白には全くこれらの栄養素が含まれていないというわけではありません。
卵白には卵黄には劣るものの栄養は含まれており、それらの一例として低脂肪なタンパク質や、糖質脂質の代謝を促すと言われるビタミンBなどが挙げられます。
(答え) ✖
鉄含量は、卵白より卵黄の方が高い。
【参考文献】
たまごの卵黄と卵白、栄養があるのはどちら? 株式会社 藤野屋
https://www.fujinoyaweb.co.jp/column/602