肥満とダイエット

 肥満とダイエットに関して、10問の正誤式の問題があります。見出し(目次)の文章を正しいか間違っているかを考え、間違っている場合は正しい表現を考えてみて下さい。

※このページの趣旨はカテゴリーページ「食生活と健康」を参照してください。

体重が平均的(標準範囲)であれば、肥満の心配はない。

答え ×

体重が平均的(標準範囲)であっても、肥満の心配はある

【肥満の定義】

 肥満とは、単に標準体重よりも重いというのではなく、脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態をいう

 肥満判定基準としては、※BMIを用いるのが一般的であり、25㎏/㎡を超える時肥満と判定する。

※BMI=体重(㎏)÷〈身長(m)〉²

【肥満度分類】

(表1)挿入

注1)ただし、肥満(BMI≧25)は、医学的に減量を要する状態とは限らない。なお標準体重(理想体重)は最も疾病の少ない22㎏/㎡を基準として、標準体重=身長(m)²×22で計算された値とする。

注2)BMI≧35を高度肥満と定義する。

【肥満症の定義】

 肥満症とは肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される場合で医学的に減量を必要とする状態をいい、疾患単位として取り扱う。

参考URL:「肥満症診療ガイドライン2016 日本肥満学会」

http://www.jasso.or.jp/contents/magazine/journal.html

身長に対して体重が重くても、筋肉の発達による場合は肥満とはいえない。

答え ○

※「肥満とダイエット」問題①解説「肥満の定義」参照

肥満の原因は、摂取エネルギーが消費エネルギーを下回ることにある。

答え ×

肥満の原因は、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることにある。

(図1)

(図1)引用URL:

http://report.ajinomoto-kenko.com/himan/teitaisha.html

肥満の解消には、食事の回数を減らすなどの食事制限が効果的である。

答え ×

肥満の解消には、食事の回数を減らすなどの食事制限は効果的ではない

【肥満の予防・治療における栄養教育】

  1. 肥満の程度に応じて摂取エネルギーを決める
  2. 糖質、脂質、たんぱく質をバランスよく摂取する
  3. ビタミン、ミネラル、食物繊維は不足させない
  4. 塩分の多い食品は控える
  5. 早食い、どか食いをやめ、ゆっくり咀嚼して食べる
  6. 間食をやめて1日3回の食事をきちんととる
  7. 夜食をやめて、朝食は欠食しない
  8. 1か月に1~3㎏程度の減量を目安に、長期的な減量計画をたてる

筋肉がつくと体重が増えるので、ダイエットとして筋肉をつける運動は効果的でない。

答え ×

筋肉がつくと基礎代謝量が増えるので、ダイエットとして筋肉をつける運動は効果的である

【肥満予防・治療に適した食事と運動】

  1. 肥満の予防・治療は食事と併せて運動を行うことが重要⇒食事による摂取エネルギー<運動による消費エネルギー
  2. 極端な食事制限は脂肪以外の筋肉量まで減少させてしまい、安静時のエネルギー代謝率が低下するので注意が必要
  3. 肥満の予防と治療にはレジスタンス運動有酸素運動が適している
  4. 有酸素運動は糖や遊離脂肪酸を燃焼し、持久性の向上、インスリン感受性の改善が期待できる
  5. レジスタンス運動は筋肉量が増大し、基礎代謝の維持をはかることができる

筋肉量が増えると、運動をしていないときでも摂取エネルギー量が増えるようになる。

答え ×

筋肉量が増えると、運動をしていないときでも消費エネルギー量が増えるようになる。

【やせやすい体づくり】

適度な運動(有酸素運動、レジスタンスとレーニング)

筋肉量増大

基礎代謝量(安静時消費エネルギー量)アップ

※骨格筋は安静時の消費エネルギー量の約2割を占めている

痩せやすい体

隠れ肥満とは、見た目には太っているように見えないにもかかわらず、体脂肪率の高い状態をいう。

答え ○

【隠れ肥満とは…】

隠れ肥満とは、体重は標準体重であるにもかかわらず、体脂肪率が標準より高い状態のことをいう。一般的に体脂肪率が男性は25%以上、女性は30%以上の場合を「隠れ肥満」といい、見た目は痩せて見えても、成人病などのリスクがある。

【隠れ肥満の原因】

  • 極端なダイエットをした場合
  • 運動をしないで食事だけを減らし、体脂肪と筋肉がともに減少した場合
  • ダイエットのリバウンドにより脂肪だけが増えてしまった場合

下腹部や太ももなどの皮下に脂肪が蓄積するタイプの肥満を内臓脂肪型肥満という。

答え ×

下腹部や太ももなどの皮下に脂肪が蓄積するタイプの肥満を皮下脂肪型肥満という。

内臓脂肪型肥満*多くが上半身肥満

  • 内臓(腹部)に脂肪がたまる
  • 男性に多く見られる
  • “ビール腹”、“りんご型”とも言われる
  • 合併症を起こしやすい

※内臓脂肪の面積が100㎝²以上の場合を内臓脂肪型肥満と判定する

皮下脂肪型肥満*多くが下半身肥満

  • 皮下(腕、脚、尻など)に脂肪がたまる
  • 女性に多く見られる
  • “洋梨型”ともいわれる
  • 合併症は起こしにくい

からだは飢餓状態を感じると、栄養素を摂取したらすぐ筋肉として蓄えようとする。

答え ×

からだは飢餓状態を感じると、栄養素を摂取したらすぐ脂肪として蓄えようとする。

【飢餓に備えて脂肪を溜め込む!白色脂肪細胞】

人間は食事で動植物に蓄積されたエネルギーを摂取し、栄養源にしている。エネルギー源は主に糖質(炭水化物)と脂肪からがほとんどであり、小腸で吸収された糖質の一部は血糖となり、脳や赤血球にエネルギーを供給している。 また、肝臓と骨格筋に取り込まれた糖質は、グリコーゲンとして貯蔵されるが、余った糖質は脂肪細胞や肝臓で中性脂肪に変換され、体内に蓄積される。

骨格筋に貯蔵されたグリコーゲンは、自らの組織のためだけに使われるのに対し、肝臓や脂肪組織に貯蔵されたグリコーゲンや脂肪は、全身のエネルギー源として利用される。このように、蓄えられた脂肪を必要なときにエネルギーへと変える中性脂肪は、白色脂肪細胞と呼ばれている。 白色脂肪細胞は無限に大きくなることはなく、キャパシティがいっぱいになると新たな脂肪細胞を作り出す仕組みになっている。

肝臓や筋肉でのグリコーゲンはキャパシティが小さい上、半日ほどしか貯蔵できないのに対し、脂肪細胞や肝臓での中性脂肪は多く溜め込むことができる。

脂肪細胞が増殖することができるひとつの理由として、飢餓状態になった時のために、エネルギー源である脂肪を溜め込む節約遺伝子の存在がある。キャパシティに制限があると、生き延びることができないため、逃さず全て脂肪にする。これが生物の最大の特徴なのである。

ところが、現在は飽食の時代ともいわれており、上記のようなメカニズムによる肥満なども問題となっている。

参考URL:https://www.bodybook.jp/entry/201705/doctor22vol1.html

メタボリック症候群とは、内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、血圧高値、尿たんぱく異常のうちのいずれか2つ以上をあわせもった状態をいう。

答え ×

メタボリック症候群とは、内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、血圧高値、血清脂質異常のうちのいずれか2つ以上をあわせもった状態をいう。

メタボリックシンドローム】

メタボリックシンドロームは内臓脂肪型肥満を共通要因とした、高血糖、脂質代謝異常、高血圧を呈する病態である。それぞれが軽度であっても重複することで、虚血性心疾患や脳血管疾患などの発症リスクが高まると考えられており、運動習慣の徹底や食生活改善で内臓脂肪を減少させることで、これらの発症リスクを低減させることが大切である。

【メタボリックシンドローム診断基準】

内臓脂肪(腹腔内脂肪)蓄積に加え、下記の2つ以上の項目に該当する場合。

※“項目に該当する”とは下記の基準を満たしている場合、かつ・又は“服薬”があるとする場合とする。

(表)挿入

参考(日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本肥満学会、日本循環器学会、日本腎臓学会、日本血栓止血学会、日本内科学会、2005年4月)

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