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生活習慣病はかつて成人病とよばれていた病気であり、子どもが発症することはない?
【小児生活習慣病とは】
戦後、国民の生活スタイルが急激に変化した影響で、生活習慣病と呼ばれる病気が増加している。この影響は成人だけでなく、子どもにも及んでおり、一般的には成人の病気と思われていた、メタボリックシンドロームや2型糖尿病、高血圧、脂質異常症などの病気がこどもたちの間でも増えているということです。
また、子どもの頃に生活習慣病を発症すると、罹病期間(病気である期間)が長くなることから、成人後に合併症の起こる頻度が高い傾向があります。
【小児肥満】
小児の肥満は、30年前と比較して2~3倍に増加し、現在では小中学生の約10%が肥満であるといわれている。小児にみられる肥満は、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の危険因子のひとつであり、高い確率で成人期の肥満に移行する。
また、平成19年には厚生労働省の研究班より、6~15歳を対象とした「小児メタボリックシンドロームの診断基準」が出されている。
【小児メタボリックシンドロームの診断基準】
ウエスト周囲径80㎝以上に加え、下記1~3の項目のうち、2つ以上に該当する場合に「小児メタボリックシンドローム」と診断される
- 脂肪代謝異常:中性脂肪120mg/dL以上かつ/またはHDLコレステロール40mg/dl未満
- 高血圧:収縮期高血圧125mmHg以上かつ/またはHDLコレステロール40mg/dL未満
- 血糖値:空腹時血糖値100mg/dl以上
答え ×
生活習慣病はかつて成人病とよばれていた病気であるが、子どもが発症することもある。
生活習慣病においては、内臓脂肪よりも皮下脂肪の蓄積の方が問題視されている?
【内臓脂肪型肥満】
- 内臓(腹部)に脂肪がたまる
- 男性に多くみられる
- “ビール腹”、“りんご型”ともいわれる
- 合併症をおこしやすい
※内臓脂肪の面積が100㎝²以上の場合を内臓型肥満と判定する
【皮下脂肪型肥満】
- 皮下(腕、脚、尻など)に脂肪がたまる
- 女性に多く見られる
- “洋梨型”ともいわれる
- 合併症はおこしにくい
同じ肥満でも脂肪がどの部分に蓄積するかによって、種類が分かれ、それぞれ違った特徴があります。
近年の研究では肥満による病気の発症には「肥満の程度」よりも「脂肪の蓄積する部位」が重要であることが明らかになってきています。特に「内臓脂肪の蓄積」が糖尿病、高脂血症(脂質異常症)、高血圧症などの生活習慣病の発症や動脈硬化性疾患に深く関係していることが分かってきています。
答え ×
生活習慣病においては、皮下脂肪よりも内臓脂肪の蓄積の方が問題視されている。
日本人の三大死因となっている悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患は生活習慣病に含まれていない?
【循環器疾患について】
がんに次いで都民の死因の大きな割合を占めているのが、「循環器疾患」である。代表的な循環器疾患として、脳の血管に由来する「脳血管疾患」と心臓の血管に由来する「虚血性心疾患」がある。
これらの、循環器疾患の発症リスクを高める要因としては、
- 肥満
- 喫煙
- 健康に影響を及ぼす量(1日2合以上)の飲酒
- 身体活動や睡眠の不足
- 高血圧症、糖尿病、脂質異常症、歯周病
などがあり、生活習慣を改善することで、これらのリスク要因を減らし、発症を予防することができる。
答え ×
日本人の三大死因となっている悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患は生活習慣病に含まれている。